公開を祝して初日に実施した舞台挨拶には豪華キャストが再集結!
前作で命を落とした大越組若頭・久松の息子・勇人を演じる主演の東出昌大をはじめ、同じく前作で命を落とした組長・大越の息子、大輔役の桐谷健太、五誠会二代目に囲われる元アイドル・麻美の土屋アンナ、19年前の事件の真相を追う森澤を演じる柄本佑、五誠会三代目・誠司役の安藤政信とメインキャスト5人がが集まりました。更には前作『GONIN』の出演者で本作ではヒットマン・明神を演じた竹中直人に加え、明神の相棒として独特の世界観を身に纏う余市を演じた福島リラ。
19年の時を経て新たな伝説を世に送り出す石井隆監督も登壇し、撮影時期のエピソードや初日を迎えた感想などを熱く語っていただきました。
また前作と同様、氷頭役で一度限りの俳優復帰を果たした根津甚八からサプライズで直筆の手紙が到着しました!
引退宣言から5年、本作のために一度きりの復帰を果たした根津から届いたラストメッセージにキャスト陣、監督はもちろん、会場全体が大きな感動に包まれ、襷を受け継いだ東出昌大は感極まり、目頭を熱くしました。
<『GONIN サーガ』初日舞台挨拶イベントレポート>
□日程:9月26日(土)
□場所:TOHOシネマズ新宿 SCREEN9
□登壇者(敬称略):東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、福島リラ、竹中直人、石井隆監督
舞台挨拶内容
MC:本日は映画『GONIN サーガ』、公開初日にお越しくださいまして誠にありがとうございます。これより、監督・キャストによる初日舞台挨拶を行わせていただきます。キャスト・監督どうぞ壇上にお上がり下さい!
先日ニュースにもなっていましたが『GONIN サーガ』がバンクーバー国際映画祭の正式招待作品に選出されたということおめでとうございます!(会場拍手)
それではお話を伺っていきたいと思います。
昨年の6月にクランクインして約1年とちょっと、この初日に向けてキャストの皆さんはたくさんの取材やイベントを行ってきたわけですが、遂に初日を迎えてのお気持ちを改めてお伺いできればと思います。
東出昌大:初日にお越しいただきありがとうございます。作品はいかがでしたか?
―会場拍手―
撮影がはじまってから一年三カ月ほど、ようやく初日を迎えられて嬉しいです。石井監督の作品に参加できたことはとても嬉しいですし、俳優仲間からも羨ましがられます。石井監督の作品に参加できて光栄で万感の思いです。
桐谷健太:初日にお越しいただきありがとうございます。皆さんの元に届いてようやくクランクアップだなと感じています。皆さんご覧いただきそれぞれの想いがあると思いますので、SNSや口コミで広げていってください。
石井隆監督の作品、大好きな『GONIN』の続編に参加できたこと、そして今日皆さんの前に立てていることがとても嬉しいです。激流・濁流のような撮影は自分の役柄ともリンクしていました。初日を迎えてみると夢から醒めたような感じがします。出演させていただきありがとうございました。
土屋アンナ:今日はお越しいただきありがとうございます。
石井隆監督の世界観はとてもかっこよくて、リスペクトしています。口コミ!よろしくお願いします。
石井監督の描く、暗くて、儚くて、そして美しい作品に参加でき、楽しくやらせてもらったことは自分にとってとても刺激になりました。呼んでいただき嬉しかったです。
柄本佑:初日にお越しいただきありがとうございます。純粋に色々な方に観ていただきたく、親類縁者に広げるのはもちろんのこと、電車の中でいきなり『GONIN サーガ』とつぶやくなどして、広めてもらえればと思います。
監督とのお仕事は二度目ですが、初めのお仕事をご一緒する前に『GONIN サーガ』のオファーもいただいていたので、続けて参加させていただけたことはとても嬉しかったですし、(初めのお仕事が)評価いただけたのかなと思うと少し安心しました。
安藤政信:去年の撮影から長かったですが、初日になりやっとクランクアップを迎えたという晴れやかな気持ちです。石井監督にこの映画に誘っていただきありがとうございます!ということだけが言いたいです。
石井監督の作品は色々と観させていただいていますが、「雨」「水」「光」といったような、自分も好きなキーワードににこだわられていて、感性が似ているなと思っていました(笑)。いつかご一緒したいと思っていたのですが、俳優が勝手に出るわけにもいかないので、今回オファーをいただきとても嬉しかったです。
福島リラ:今日は初日にお越しいただきありがとうございます。皆さんと一緒になってしまいますが、色々な方法で口コミを広げていただければと思いますのでよろしくお願いします!
皆さんよりも撮影は短かったですが、石井組に参加できてとても嬉しかったです。『GONIN』のテーマ曲が流れる中、舞台上に出てきたときにすごいことだなと実感しました。
竹中直人:すごくきれいな劇場で、こんなに多くの人に石井隆監督の作品を観ていただけるなんて、びっくりしちゃって!嬉しくて嬉しくてたまりません!って感じです!!
石井監督のデビュー作に主演してからかれこれ25年くらいのお付き合いでしょうか。当時から、すぐいじけちゃう可愛いおじちゃんという感じて愛すべきキャラクターなんです。石井監督本当におめでとうございます。
石井隆監督:今日はご覧いただきましてありがとうございます。疲れたんじゃないかな?前作から約20年、紆余曲折ありましたが今日やっと公開を迎えられて夢のようです。
MC:ありがとうございます。
実はここからはキャストの皆さまにもお話ししていないサプライズなのですが、今回初日を迎えるにあたり、ある方からお手紙を頂きました。
実は、本作で11年ぶりに一度限りのスクリーン復帰を果たした、根津甚八さんより、何と本日は公開初日ということで、監督・キャストの皆様宛にお手紙を頂いているんです!!
本当に突然ですが、本日は東出さんにそのお手紙を代読していただければと思います。
※以下手紙全文
根津甚八です。
GONINサーガの上演初日に列席が叶わないことをまずお詫びいたします。
演じることは自分にとって生きることそのものでした。
それができなくなり、引退は諦めでもありました。
諦めていた自分に、再び演じることの楽しさを味あわせてくれた
監督に心からのお礼を申し上げます。
また、襷を受け取ったと言ってくれた東出くん。
その言葉で、演じたいのに演じることのできない無念を断ち切ることが出来ました。
東出くんだけではなく、若い俳優たちの姿を見て、
自分の思いを次の世代が背負ってくれる、
自分はできる精一杯をしたんだという気持ちで俳優人生を締めくくることができました。
こうして初日にいらしてくださった皆様を始め、GONINをそしてGONINサーガを
ご覧くださるすべての観客に、生きていた氷頭を、根津甚八を見届けて下さったことに感謝いたします。
根津甚八
MC:ありがとうございます。
本当にサプライズで読んでいただきましたが、東出さんいかがでしたか?
東出さん:(言葉をつまらせ)石井監督、根津さんももちろんそうですが、映画って一本つくるのに、役者だけでなく多くのスタッフさんも心血注いで、身を削って創り上げているものです。スクリーンの中で心血注いで演じられている根津さんの姿はとても魅力的で大好きです。役者をやらせていただいていますので、これからも心血を注いで臨んでいきたいと思います。邦画に触れる機会があまりない方にも触れていただき届くといいなと思っています。根津甚八さん本当にありがとうございました。
MC:さて、桐谷さんもインタビューで根津さんとの共演で役者魂を感じたとおっしゃってますが、今のお手紙いかがでしたか?
桐谷:今回ご一緒できて本当に良かったと思います。
役作りのために健康な役者が太ったり痩せたりするのも凄いことだと思いますが、お体を悪くされた中で石井監督の作品ならと出演された根津さんの役者魂は本当に凄いと思いました。お芝居、映画が現実を超える瞬間があるんだと改めて感じさせられましたし、役者をやらせていただいていることへの感謝と引き締まる思いが湧き出て来ました。
MC:竹中さんは前作でも共演されて、本作で根津さんが復帰されるということでまた、特別な想いもあったと思いますがいかがでしたか?
竹中:役者の仕事とは、役作り云々ではなく自分をさらけ出すことだと思うんです。
スクリーンの中に存在する、それだけで根津さんには全然かなわないんです。根津さんと同じ作品に出られたことが嬉しいと同時に、この作品に根津さんが出たことは凄いことだなと思います。尊敬するべき俳優だなと改めて感じました。
MC:最後に石井監督、非常に胸の熱くなるお手紙でしたが、こうして初日を迎えて根津さんからのお言葉を聞いて、如何でしょうか?
石井監督:根津さんにオファーしたのは『GONIN』から10年くらいのころだったと思います。それからすぐ映画化というわけにはいかず、さらに10年近くたってしまいましたが、その間にお体を悪くされていきました。でも公開を迎えてオファーしたことの約束が果たせましたし、根津さんもその約束に応えてくれました。ありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです。
MC:どうもありがとうございました。そろそろお時間となってしまいますので最後に東出さん、監督から一言ずついただきたいと思います。
東出:今日は本当にありがとうございます。僕個人の感想になってしまいますが、こんな邦画近年無いと思います。邦画好きであれば石井隆監督は通る道だと思いますが、普段邦画をあまり観ない方にもこれを機に邦画、『GONIN』の世界に触れていただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
石井監督:『GONIN サーガ』に参加してくれた若いスタッフも、役者の皆も『GONINI』のことを知っていてくれて、私は天井を見ているだけみたいな感じでした。皆がわかってくれていて、捨て身の芝居をしてくれたことに感謝しています。映画は皆さんの心に届いて完成だと思っていますが、届いたかなと思いながらその繰り返しで作品を作っていきます。「楽しい」という感情だけでなく「しんどい」とか「暗い」という感想だってエンタテインメントだと思うんです。どうにかして人の心を動かすのがエンタテインメントだと思っていますので、よろしくお願いします。
以上