【7月11日(日)開催!イベントレポート】
映画の舞台でありロケ地となった青森へ! 映画公開記念!凱旋イベント!!
この度、映画の公開を記念して、本作の舞台でもありロケ地となった青森県十和田市での凱旋イベントが実施されました。ロケにご協力いただいた市民の方々、北里大学の皆さんへ感謝の気持ちを込め、実施された先行試写会では、十和田市の市長をお招きして、篠原監督、近藤プロデューサーが舞台挨拶に登場!さらに、その後は「『命を守る』を考える」と題して、動物愛護の大切さを訴える活動をしている地元の高校生たちを交えて、トークイベントを行いました!
映画『犬部!』十和田市試写会舞台挨拶
【日時】7月 11日(日) 13:30〜14:00
【会場】十和田市民文化センター 大ホール(青森県十和田市西三番町2-1)
【登壇者】篠原哲雄 監督、小山田久 十和田市長、近藤あゆみ プロデューサー
▼十和田市試写会舞台挨拶イベントレポート
舞台上に登場した小山田市長から「試写会を通じて命の大切さや感動を共有できるといいと思っています。一人でも多くの方がこの映画をご覧になってくれると嬉しいです。」と開会の挨拶が行われスタートした本舞台挨拶。
篠原監督は「ちょうど1年前に撮影していまいた。完成したのは去年の12月末。どうこの映画の世界を伝えるか、議論を重ねながらようやく完成した作品です。お世話になったこの土地で、この作品をどういう風に受け止めていただけるのか…ドキドキしますが楽しみでもありました。どうか楽しんで。」と撮影地であり映画の舞台となった十和田市への先行試写会に期待を抱いている様子。近藤プロデューサーも「こうして撮影地に帰ってこれて嬉しいです。みなさんは共に映画を作った仲間だと思っています。楽しんでください。」と明かし、実際に撮影にも協力した方が多く集まるこの試写会が実現できた事を喜んでいました。
撮影には、多くの動物たちと俳優陣とのコンビネーションが必要だった本作。「動物とどう向き合うかは撮影する上でもとても大事なポイントでした。これまで動物との撮影現場には巡り合っていなかったので…自信がなかったんですが」と意外は想いを口にした篠原監督。しかし、実際の撮影では「犬たちには随分助けてもらいました。俳優部の皆さんがすごく自然に、撮影の前から飼い主のように接してくれていた事もあり、動物たちもなついてくれて。みんな頼もしかったです。」と林遣都さんをはじめ、キャスト陣と動物たちとの見事なコンビネーションが映画を支えてくれたことを明かしていました。
実は、本作の撮影に小山田市長も参加していたそうで、「夏の日差しが降り注ぐ暑い日に撮影に参加しました。十和田市の色々な所で撮影をされていて、その魅力が全国で公開されるのは嬉しいです」と十和田の魅力をしっかりアピール。それに対し近藤プロデューサーは、撮影に全面的に協力してくださった十和田市の方々に「撮影チームを歓迎していただいてありがとうございます。心より感謝しております。」と改めて感謝の気持ちを口にしました。
最後に、篠原監督は「映画の中でも、動物や命に対していろんな考え方が描かれます。どれが正しいとか、悪いということではなく、命に向き合っている人々とその中で彼らはどう生きていくのか、という部分を丁寧に描いた作品です。映画を観て、いろんな方に『犬部!』とつぶやいていただければ嬉しいです。」と作品をアピールし、舞台挨拶は幕を閉じました。
映画『犬部!』トークイベント
【日時】7月 11日(日) 18:05〜
【会場】TOHOシネマズ おいらせ下田(青森県上北郡おいらせ町中野平40−1 イオンモール下田敷地内)
【登壇者】篠原哲雄 監督、副島彩華さん(県立三本木農業高校・生徒)、巴香乃さん(県立三本木農業高校・生徒)、
赤坂圭一さん(県立三本木農業高校・教諭)
▼トークイベントイベントレポート
同日、おいらせ町へと場所を移し行われたトークイベントでは、篠原監督が「2020年の7月・8月に、十和田市を中心に撮影をさせて頂いた作品ということで、(全国に)先駆けて青森の方々に観ていただきたいと思っていたので、こうして観ていただけてとても嬉しい。一生懸命話したいと思います。全国公開まであと10日ほど、どういう風に伝わるかが大事だと思っているし、映画を作ったからにはお客様に観てもらいたい。東京では緊急事態宣言で座席も半分しか入れられないけど、ヒットさせたい、広げていきたいので応援して頂けたら嬉しいです」と挨拶するとあたたかい拍手に包まれました。
このイベントでは、地元の県立三本木農業高校で、「命の花プロジェクト」という殺処分された犬や猫の骨を砕き土に混ぜ、花を育て、動物愛護の大切さを訴える活動をしている生徒2名と教員もトークイベントに登場。3年生の副島さんは「私たちがやっている活動と、犬部で共感できる部分がたくさんあって、笑いあり涙ありで感動しました。私も殺処分をゼロにしたいので、犬部と似ていると感じましたが、自分は思いだけで行動することが出来ないので、行動力が凄いと思いました。」同じく3年生の巴さんは「犬部は大学生、私たちは高校生で、同じ学生として頑張って活動している立場として、きっと多くの葛藤、学生だから思うようにいかないことがたくさんあったと思うので、そういうところに共感しました。私は(中川が演じる)柴崎さんタイプで、自分なりの考えはあるけど考えすぎるところが似ていると思う。行動力や決断力がある(林が演じる)颯太のような人がいたから前進したのだと思います」と自身に重ねながら映画の感想を語り、赤坂先生は「以前、三本木農業高校の文化祭で、モデルになった犬部の皆さんが譲渡会を開いてくださった。犬部の活躍には、様々なところでお世話になってきたので、非常に今回の映画化が嬉しい気持ち。すばらしい感動する映画になっていました」と地元ならではの貴重なエピソードを明かした。実際に活動している学生、教員からの熱のこもった言葉を受けた篠原監督は「林さんも中川さんも、犬部の学生としての自覚をもって作品に参加してくれて、撮影前から自ら動物たちと関わり、それぞれのスタンスで頑張ってくれています」と力を込めました。
そして、青森県の動物保護センターに昨年収容された犬が366匹、猫が618匹、そのうち飼い主への返還や譲渡などで救われた犬や猫もいるものの、殺処分となったのが犬146匹、猫449匹、という数字が発表されると、副島さんは「人間の都合でそうなっているのが悲しいし、悲しみ以上に怒りがこみ上げる。「命の花プロジェクト」で、初めて骨を見た時には、白くて軽くて、軽いはずなのにすごく重く感じて、何もしていない動物が苦しんで亡くなったことを考えると、言い表せない感情になった」、巴さんも「初めて骨を砕いたときは、バリバリとした音、手に伝わる重みに命の重みを感じて、一線を越えてしまった感じがした」と切実な想いを吐露。赤坂先生も真剣な表情で、「プロジェクトの最初のころは抵抗感もあって苦労する生徒も多かったが、活動していく中で、一人ひとりの真剣な考え方が生まれてきて、動物の愛し方が変わっていっている、成長しているなと感じています。一番の目標は、このプロジェクトが無くなること、殺処分がゼロになること。動物を飼う選択をしたら、最後にはこの飼い主で幸せだったと思ってもらえる方が増えていく、そういう一歩になれば、素晴らしい社会になると思います。」とまさに映画で描かれるテーマを身をもって実感しており、篠原監督も「辛いけれど、なんとか繋げようとしていることに意義がある、失われただけでなく次に向かっている、必要なことをされているなと思います。殺処分をしないために保護活動をしているわけで、映画で柴崎がしているように、引き続き行政側も共にやっていかないと未来は変わらないのだと思います」と想いを同じくしてコメント。
物語の舞台、そして実際に様々な動物保護活動が行われている青森の熱量が、22日の全国公開へと繋がっていくことを予感させるトークイベントとなりました。