完成記念トークイベント(オンライン配信)レポート
本作の完成記念トークイベントを6月29日(月)に開催しました!松本穂香、中田青渚、片山友希、金子大地、甲斐翔真、小室ぺい、ふくだももこ監督が出席し、高校時代のエピソードなどたっぷりとお話しいただきました。
本イベントはオンラインでも配信いたしました。ご視聴くださった皆様、あがとうございました。放送はアーカイブに残しているので、見逃した方、もう一度見たい方は、ぜひご覧ください!
YouTubeでの視聴はこちら
Twitterでの視聴はこちら
以下イベントの様子をお伝えするレポートになります。
監督・キャスト含めて久しぶりの勢揃いとなった彼ら。早速、素の自身について、主人公・えんとは「全然違う」と語る松本さん。どちらかというと、片山さんが演じた、父親にきつい態度をとってしまう女子高生・純に近いそうで「私も、親に対してモヤモヤしたり、言葉にできないイライラじゃないけど、愛情があるからこそツンツンしちゃうところがありました」と意外な告白をし、共演陣からは驚きの声が上がりました。当の純役の片山さんは、松本さんの言葉に驚きつつ「私自身、ファザコンなので現場に入る前は(父親が)かわいそうだなと思っていたけど、入ったら『かわいそう』って感情はなくなりましたね」と明かし、笑いを誘っていました。
撮影現場はみんな仲が良く、和気あいあいとしていたようですが、松本さんは、一緒のシーンが多かった中田さんが「ずっと(役柄の)琴子でいる感じだった」と指摘し、甲斐さんは「(現場で)叫んでたもんね(笑)。アッパーだったね」と証言。中田さんは恥ずかしそうに「緊張してて、オンとオフの境目がなくなるのが怖くて、琴子でいることが多かったです」と明かしていました。
松本さんは、ふくだ監督とは『おいしい家族』に続いて2作目のタッグとなりましたが、ふくだ監督は「若いキャスト、経験の少ない子も多かったので、穂香ちゃんにもちょっと私のほうに来てほしかった」と現場で女優としてだけでなく演出側の目線を持つことを要求したといいます。松本さんは「(前作とは)準備段階から全然違って、前回は話し合わないのが正解だったと思うけど、(前作のプロモーションなどで)一緒に映画祭に行ったりして、人としての関係性が深くなってからの2作目だったので、今回は違うやり方がいいんだなというのが言わなくてもあって、自然とそうなった」と振り返りました。
ふくだ監督からはたびたび、シーンや登場人物の気持ちなどについて相談される機会が多かったそうで、ふくだ監督は「(監督が)何を言っても、(松本さんは)やってくれるという信頼があった」と称賛の言葉を口にしていました。
劇中、登場人物たちが真夜中のショッピングモールでブルーハーツの楽曲に乗って感情を爆発させるという青春満開のシーンがありますが、甲斐さんは「感情大爆発というシーンで、緊張感もあって、精神的にも肉体的にも疲れるし、撮り終えた時、山登りが終わったような感じがあった」と述懐しました。そんな熱いシーンで最もノリノリだったのは誰か? という問いに甲斐さんは迷わず隣に立つ金子さんを指さしました。金子さんは「らしいです(笑)。楽しい気持ちや怒り、いろんなことを曲に乗せて爆発させるシーンだったので、すごく緊張感がありました」と振り返りました。
普段、ミュージシャンとして活動している小室さんも「普段(の活動では)、あまり暴れるようなことはないし、あそこまではやらないので楽しかったです。みんなすごかったですね。純さんとか…(笑)」と明かし、これには純役の片山さんは「恥ずかしいですね…」と照れくさそうに笑みを浮かべていました。
また、キャスト陣はそれぞれどのような高校生だったか? 劇中の登場人物たちのように“一方通行”を感じるようなことはあったか? という質問に、小室さんは「軽音部でバンドをやってたんですけど、誰も見に来ないので寂しかったです」と意外な告白。松本さんは、小室さんの言葉に深く共感したようで「私は演劇部だったんですけど、隅っこの視聴覚室でひっそりとやってました。体育館でやっても、音響が悪すぎて全然届かず、ジタバタしてるだけなんです(苦笑)」とまさに一方通行の苦しみをしみじみと明かす。「冷凍マグロの役をやったり、アニメ好きの子が考えた脚本で、私がベルを鳴らしたら時が止まったり…(笑)。でも、人が少ない中でそれでも一生懸命やっていました」と青春時代をふり返りました。
また、事前にオンライン試写を観たフォロワーから寄せられた「みなさんにとって、“世界のはじまり”と思える人は?」という質問に、甲斐さんは「常にいろんな人に出会うたびに、いろんなものを吸収したり影響されます。いま、ここにいるってことは、それまで出会った人のおかげなのではないかと思います」と語り、これに一同深く同意。松本さんは「もう(そういう人に)出会っているのかもしれないし、これから出会うのかもしれない。後になってそう思うのかもしれないですね」とうなずいていました。
最後に松本さんが本作について「全員が主役の映画です。こんなにしっかりとひとりひとりが描かれている映画は他にはないんじゃないかと思います」とアピールし、トークイベントは幕を閉じました。