映画『聖の青春』公開記念にて、第29回東京国際映画祭クロージング作品舞台挨拶を実施しました!みなさま、ご来場ありがとうございました。トーク内容をご案内しますので、会場に来られなかった方々も、是非ご覧ください!
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【第29回東京国際映画祭 クロージング作品舞台挨拶 概要】
【日時】11月2日(水) 【場所】EXシアター六本木 (港区西麻布1丁目2−9)
【登壇者】松山ケンイチさん、東出昌大さん、森義隆監督
【ゲスト】吉田沙保里選手、三宅宏実選手、羽根田卓也選手
<イベントレポート>
10月25日(火)に開幕した第29回東京国際映画祭もいよいよ終盤を向かえ、期待のクロージング作品の上映だけに、会場には大勢の観客が集結しました。そんな熱気溢れる会場に、松山ケンイチさんをはじめ、東出昌大さん、森義隆監督が登場すると、観客からは一層大きな歓声が起こりました。
まず始めに挨拶したのは、天才棋士・村山聖を演じた松山ケンイチさん。
「この映画を東京国際映画祭のクロージング作品に選んでいただき、とても光栄です。今日をすごく楽しみにしていました」
続いて、聖の最大のライバル・羽生善治を演じた東出昌大さんは、
「ヒロイン・羽生善治を演じた東出昌大です。日本を代表する映画祭で、将棋という日本文化を扱った作品がクロージングに選ばれるのは光栄ですし、胸を張ってこの場に立っています」
本作のメガホンを執った森義隆監督は、
「今年は素晴らしい日本映画が多い中、この映画がクロージング作品に選ばれたことを誇らしく思います」
と、それぞれが国際的な映画祭にクロージング作品として選ばれた喜びを嬉々と語りました。
先日行われたレッドカーペットイベントでは、安倍首相や、映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のプロモーションで来日したメリル・ストリープさんと並び、本作を世界に向けてアピールした3人ですが、改めて感想を問われると、松山ケンイチさんは、
「楽しかった記憶しかないですね。メリル・ストリープさんや安倍首相・・・安倍マリオさんにお会いできたことを光栄に思っています。映画祭に参加する度に圧倒的なパワーをもらえるんですよね。すごく感謝しています」
とコメントし、本作で描かれている日本独特の粋な美しさを世界中の人に見てもらいたいと、意気込みました。
東出昌大さんは、はじめに将棋を題材にした映画を撮ると聞いたときは少し心配になったそうですが、
「人としての生き方は世界共通なので、将棋のルールがわからない人が観ても、それは伝わると思います」と、語りました。
また、多くの人を夢中にさせる将棋の魅力について話題が及ぶと、森義隆監督は、
「今回作品を作る上で、ボクシングや格闘技の映画を参考にしました。人間の闘志のぶつかり合いは、文化を超えて理解してもらえると思います。人工知能が発展する一方、人と人が人生をかけてぶつかり合った時に出来上がる勝負というものは、芸術性を持っているのではと。それは人口知能には再現できない部分だと思います」と、自身のこだわりを覗かせました。
難病を患いながら、29歳の若さで亡くなるまで、将棋に全人生を掛け、将棋界最高のタイトル「名人」を目指して必死に闘った、村山聖。「勝負の世界に生きること」「命を削りながら頂点を目指して闘うこと」を、本作からはたっぷりと感じとって頂けるはずです。
ここで、厳しい勝負の世界を生き抜いてきた、リオオリンピックメダリストの吉田沙保里選手、三宅宏実選手、羽根田卓也選手が登壇し、松山さんと東出さん、森監督へ花束が贈呈されました!豪華メダリストの登場に会場の盛り上がりは頂点に達しました。
本作で描かれる村山聖の生き様は、アスリートの競技にかける気迫、勝利への執念に通じており、三宅宏実選手は、
「ハンカチは必須です。将棋にかける思いが熱く伝わる素晴らしい映画で、実話なので、より胸に響きました。アスリートはオリンピックのメダルを目標に、聖は棋士としてやり遂げたいという思いが私たちと共通しています。もし私が病気でも、好きなことを最後までやり遂げたいと考えると思います」と、本作を熱く語り、対して松山ケンイチさんは、
「僕は俳優、村山さんは将棋という仕事が生きることにつながっている所が共通点だと思います。村山さんの、病に捕らわれず人生を全うしている姿が好きで、自分の人生を考えるきっかけになりました」と、村山さんが自身に与えた影響について触れました。
東出昌大さんは、「将棋界の方々は、村山さんが病気だということをご存知でした。だけど盤面を挟めば容赦しません。将棋に人生をかけているからこそ、手を抜かないのだと思います。羽生さんを演じるにあたっては、村山さんの人生をぺしゃんこにしてやるんだという気持ちで挑みました」と、並々ならぬ思いで撮影に挑んだ様子。
将棋という真剣勝負にちなみ、最近の勝負事について問われると、吉田沙保里選手は
「吉田沙保里杯で、甥っ子とレスリングをしました。力が強くなっていて、びっくりしました」と、心温まるエピソードも。
三宅宏実選手は、「電車の乗り継ぎ時間をいかに短縮できるか挑戦しました」と続け、松山さんが
「お腹が痛い時にエレベーターが来なくて、自分との闘いでした(笑)」と語ると、会場は笑いに包まれました。
羽根田卓也選手は、「柔道選手と綱のぼりをしました。異種格闘できて楽しかったです」とアスリートらしいコメントを寄せました。
最後に観客の皆さんへ、松山さんからメッセージが送られました。
松山ケンイチさん:「村山さんの人生は、皆さんの人生の中にも何かを与えてくれると思います。そのような村山さんの生き様を堪能していただければと思います。対局で、刀で斬りあっている様を是非楽しんでください。今日はどうもありがとうございました」