2016.11.10

広島ご実家訪問&広島・大阪試写会舞台挨拶レポート

映画『聖の青春』公開記念にて、村山聖の故郷である広島のご実家訪問&広島・大阪試写会舞台挨拶を実施しました!みなさま、ご来場ありがとうございました。トーク内容をご案内しますので、会場に来られなかった方々も、是非ご覧ください!
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<広島 ご実家訪問&試写会舞台挨拶レポート>
【日時】11月7日(月)

【場所】広島バルト11 (広島県安芸郡 府中町大須2-1-1 イオンモール広島府中)
【登壇者】松山ケンイチさん、森義隆監督
【ゲスト】村山家ご両親 (村山伸一さん、村山トミコさん)

▼棋士・村山聖さんのご両親とともに墓参した森義隆監督(前)
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▼棋士・村山聖さんのご両親とともに墓参した森義隆監督(左)
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▼棋士・村山聖さんのご実家を訪問した森義隆監督(右)
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<広島 ご実家訪問&試写会舞台挨拶レポート>
いよいよ11月19日(土)に公開を迎える映画『聖の青春』。本作の公開を村山さんとご両親に報告するため、広島県府中町にある村山聖さんのご実家を森義隆監督が訪問しました。

映画化を志した8年前から、毎年ご実家に訪れていたという森義隆監督。ご両親と撮影当時を振り返りながら、「実家に帰ってきたような感じ」と、思い出話に花が咲きます。その後、お墓参りをし、村山さんに映画の完成と公開を報告。8年の月日をかけ、ようやく良い報告できたということで、森義隆監督も安堵の様子でした。

夜には松山ケンイチさんも合流し、広島バルト11で行われた試写会の舞台挨拶に登壇。地元、府中町から生まれた天才棋士を描いた作品ということもあって会場は超満員となりました。

まず、原作との出会いを振り返ったお二人。
「原作との出会いが8年前で、29 歳という村山さんが亡くなった年齢だったんです。
村山さんの生き様に、自分自身の人生を問いかけられているようでした。
彼の人生をなぞるのではなく、彼の魂の形をお客さんに届けられたらなと思っておりました」
と森義隆監督は当時を振り返ります。

同じく松山ケンイチさんも29歳のときに原作を読んだそうで、
「家の本棚を整理していると偶然見つけたんです。同い年というところに惹かれ手に取りました。ここまで命を燃やすということを体言している人はいないなと心を打たれ、役者として命を燃やしてこの役に望みたいと思ったんです」

そして、役者魂に火をつけられた松山さんはリサーチしていく中で、森義隆監督が映画化に動いているという話を聞き、自らアプローチをしたそう。
「私が松山さんを選んだのではなく、作品が松山さんの名乗り出を待っていた」
と森義隆監督が語れば
「29歳のときに原作を読んでいなければ、ここまで強い気持ちは持てなかったと思います。
そういうめぐり合わせに深い縁を感じます」
と松山ケンイチさんは語り、運命的な役との出会いであったことが明かされました。

肉体的にも、精神的にも村山聖という人間に向き合った松山ケンイチさん。その役作りの始まりが、府中町だったといいます。
「演じることが決まり、ご両親に挨拶をするため府中町を訪れました。
ご実家から村山さんのお墓に歩いていく道中、『村山さんはどんな風に道を歩いたんだろう』、
『この景色をみて何を感じていたんだろう』と、ゆっくり考えながらお墓に向かいました。
それが村山さんと向き合った、最初の瞬間でした」

また、森義隆監督から、「広島の地を(松山くんに)歩かせたい、という強い想いがあり、予算オーバーになりながらも、広島の海での撮影を決めたんです」と、広島での撮影についても触れました。

イベントの最後には村山聖さんのご両親、村山伸一さん、村山トミコさんが映画完成のお祝いにかけつけてくださりました。地元出身のよく知る棋士の作品ということで、トークの一言一言に観客も一様にうなずき、終始あたたかな空気が流れるイベントとなりました。

以上
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<大阪試写会舞台挨拶レポート>
【日時】11月8日(火) 

【場所】なんばパークスシネマ (大阪府大阪市 浪速区難波中2-10-70)
【登壇者】松山ケンイチさん、森義隆監督
【ゲスト】村山聖の師匠・森信雄さん

▼「聖の青春」の大阪舞台挨拶にて、松山ケンイチさん(左)と森義隆監督(右)
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▼「聖の青春」の大阪舞台挨拶にて、松山ケンイチさん(左)と森義隆監督(右)
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<大阪 試写会舞台挨拶レポート>

村山さんが故郷の広島を出て、将棋人生の多くを過ごした大阪。そんな第二の故郷といえる大阪のなんばパークスシネマで行われた試写会には多くの観客が駆けつけました。満員の観客の熱気が漂う中、松山ケンイチさんと森義隆監督が舞台に登場。会場からは割れんばかりの拍手が起こります。

まず、話題となっている松山ケンイチさんの役作りに話が及ぶと、ポスター画像に写っている自身を指しながら
「サモ・ハン・キンポーではないです」とジョークをとばす松山ケンイチさん。
体重増加という外面的なアプローチに関し、撮影中に履いていた大きいサイズの下着を今でも使用していることを明かし、「(あまりの大きさに)ズボンを履く時に下着もずり上げて履くのですが、食い込んでしまうんです」と会場を笑わせました。

村山聖さんが亡くなった年齢である29歳の時、ふとしたきっかけで原作に出会った松山ケンイチさん。その生き様に心を打たれ、当時映画化に動いていた森義隆監督に自らアプローチをしたという経緯がありました。そんな松山ケンイチさんからのアプローチを森義隆監督は振り返り、
「8年という月日がかかって完成した本作ですが、映画が松山さんを待っていたということだと思います」と、村山聖役は松山ケンイチさんしかありえなかったと断言。
そして「村山さんと同様、命を燃やして演技をする松山さんが途中で燃え尽きないように見守ることが僕の仕事でした。それがとても幸せでした」と撮影を振り返ります。

通常、ストーリーの時系列を考えず、効率のよい順番でシーンの撮影を行うのが映画撮影の常ですが、本作ではストーリーの流れ通りに撮影を敢行。森義隆監督はその理由を「予算もかかる撮り方でしたが、起こることに対し松山さんが感じていく過程を大切にしたかった」と、時間の流れの中で生きた村山さんの姿を描くためであったと説明し、こだわりをみせました。

ここで、リリー・フランキー演じる、村山さんの師匠である森信雄さんがゲスト登壇。

愛弟子を演じた松山ケンイチさんについて
「撮影中は、『村山くん』と声をかけたくなるぐらい、彼そのものでした。
18年ぶりに彼に会えた気がしてとてもうれしかった」と、嬉々として語ります。
そして自身を演じたリリー・フランキーさんについては「周囲から本人よりかっこいいと言われた(笑)」とコメントすると、
すかさず森義隆監督が「森さんの自由で縛られない部分は、リリーさんに感じていたので」
と起用理由を明かしフォロー。

本作の見所の一つである対局シーンの撮影の指導(主に指し手)に入った森信雄さん。
「一切の手抜きが無かった。私が『もう良いんじゃないか』と言っても松山ケンイチさんは納得しないで...。
最後はすごく良い駒音が出ました」と、
プロの目から見ても納得の出来であったと対局シーンに太鼓判を押します。

松山ケンイチさんも「プロ棋士の方々の美しい所作は、何十年もかけて身についたもの」と、対局シーンでの所作の演技の苦労を語りながら、納得のいく演技をすることができたと森信雄さんに感謝の言葉を述べました。

松山ケンイチさん、そして羽生善治役の東出昌大さんが棋譜を憶え込み、約3時間という長回しで撮影を行ったという、伝説の対局シーン。
森義隆監督は「村山さんの魂が燃える瞬間というのは、この方法でしか撮れないと思っていた。
松山さんと東出さんが勇気を持ってやると言ってくれた」と、嬉々として語りながら
「想像のはるか上をいくものが出来上がった」と、自信を持ってアピール。

最後に、観客に向けメッセージを送ったお三方。
森信雄さんは「村山聖が18年ぶりに帰ってきました。じっくり見てほしい」
森義隆監督は「限られた命を燃やした村山さん。その姿にどの年代の方も何かを感じるはずです」
松山ケンイチさんは、「この村山聖役は、自分にとってとても貴重な経験になりました。
命を燃やすということは決してよいことばかりではないですが、その美しさを見てほしい」

松山ケンイチさん、森義隆監督、そして師匠・森信雄さんの村山聖という人物に対する愛情の深さが伝わってくる舞台挨拶となりました。

以上