映画『聖の青春』公開に伴い丸の内ピカデリーでキャスト・監督、豪華ゲストを迎えての初日舞台挨拶を実施しました!みなさま、ご来場ありがとうございました。トーク内容をご案内しますので、会場に来られなかった方々も、是非ご覧ください!
<『聖の青春』初日舞台挨拶 レポート>
【日時】11月19日(土)
【場所】丸の内ピカデリー1 (千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン9F)
【登壇者】松山ケンイチさん、東出昌大さん、リリー・フランキーさん、柄本時生さん、森義隆監督
【ゲスト】羽生善治三冠
<イベントレポート>
11月19日(土)、全国159館で封切られた映画『聖の青春』。
丸の内ピカデリーで行われた初日舞台挨拶は、話題の本作を観ようと大勢の観客がつめかけ満員御礼。上映後の舞台挨拶とあって本編が終わると割れんばかりの拍手が沸き起こり、ゲストの登壇前から場内のボルテージは最高潮に。
そして、本作を彩った秦基博の主題歌「終わりのない空」の音楽とともにキャスト・監督陣が登場。会場は割れんばかりの拍手が起こります。
まず、内面と外面からの驚異的な役作りで見事に村山聖を演じた松山ケンイチさんが「今日は初日に劇場にお越しいただきありがとうございます。あいにくの雨ですが、どこかひねくれたところのある一面もあった天国の村山さんが降らせたのかなと思います(笑)。本作を観て、皆様の中に何かが生まれれば嬉しいです」と、村山さんに思いを馳せながら挨拶。その村山聖の最大のライバル、羽生善治を演じた東出昌大さんは「お足元が悪い中、ご来場ありがとうございます」と感謝を示し、「楽しめましたか?」との会場への問いかけます。これに対し大きな拍手が返ってくると、「公開を心待ちにしていました」と、満面の笑みを浮かべました。村山を献身的に支える師匠、森信雄を演じたリリー・フランキーさんは、「撮影中は男くさくて泥くさかったが、完成した作品を観てみると、必死で生きている人の清潔感で満ちていた」、村山と共に闘うプロ棋士、荒崎学を演じた柄本時生さんは「一つのことにここまで生涯を掛けた人というのは本当に貴重。この作品に関われて光栄な気持ちです」と、続けて挨拶。森義隆監督は、「29歳で原作に出会ってやっと今日、初日を迎えることができた。8年の歳月がかかりましたが、それは素晴らしいキャストたちに出会うための期間だったのだなと思います。我々の手を離れ"みなさんの映画"になります。手塩にかけた子どもが旅立つような心境です」と、胸の内を明かしました。
村山さんが亡くなった29歳と同じ歳に原作と出会ったと語る松山ケンイチさん。「もし村山役を演じられたら5年に1本の作品になる」と思っていたそう。しかし、内面・外面から役にアプローチをし撮影を重ねるうちに、「10年に1本の作品」変わったといいます。「村山さんと羽生さんが対局の先に新しい世界をみたように、私も東出君と演技の先の世界を見ることができました」。
そんな貴重な体験をふリ返り、松山ケンイチさんにとって「一生に一本の作品」と言えるほどの作品に。「もう二度と体験できないかもしれないと思いつつ、またあの世界を観たいと思っています」と、役者人生における大きな作品になったようです。
この想いに同意したのがリリー・フランキーさん。「対局シーンを観ながら、村山さんと羽生さんはなんてすごい人なんだと思いました。それを伝える映画ってすごい、演じる役者ってすごいと感じた」と話します。そして、松山ケンイチさんの徹底した役作りエピソードを告白。「劇中で村山さんが師匠からマージャンを教わったというセリフがあるんです。でも実際はマージャンシーンは無いんですが、松山君は役作りの為に一度マージャンをしてみたいと言って...」と、俳優の新井浩文さんとピエール瀧さんに協力してもらいマージャンを行ったという驚きの裏話を明かしました。
プロ棋士の所作は、役作りの上でとても大変だったというのは柄本時生さん。自身は左利きにもかかわらず、右手での駒打ちを練習したそうです。森監督から「芝居をするな」といわれたと明かすのが東出さん。本物のオーラを漂わせることに苦労をしながらも、読んだ瞬間に惚れ込んだという脚本を、情熱を持って演じたと胸を張りました。
そんな東出昌大さんが演じた、村山聖の最大のライバルで本作のヒロインともいえる羽生善治三冠が、特別ゲストとして舞台に登壇。場内は大きな拍手に包まれます!
まず、「村山聖という存在を知って頂けて嬉しい。映画に関わった全ての人にお礼を言いたい」と、感謝の気持ちを示します。そして、松山ケンイチさんの演技について、「村山さんにまた会えた気持ちになり嬉しかった。」と絶賛しながら、自身が出る映画を観ることについて「死んだ後に映画で描かれることは多いですが、生きているうちに観られるのは幸運なのかもしれないですね」と、気恥ずかしさを表しながらコメントしました。
作中、村山が答える雑誌のアンケートに「もしも神様がいるとしたら何を願いますか?」という印象的なシーンがあることにちなみ、登壇者に同じ質問を実施。松山ケンイチさんは、「良いことも悪いことも両方見ていてほしい」、東出昌大さんは「神様には頼りません」、リリー・フランキーさんは「自身が演じた森さんにあった際、役作りで、汚い格好をしていたからそれを消したい」、柄本時生さんは「ジェームズ・ディーンになりたい」、羽生善治三冠は「劇中の村山さんの回答が素晴らしく、それ以上のことが言えません」、森義隆監督は「褒められて伸びるタイプだから毎日褒めて欲しい」と、思い思いの回答が出ました。
本作では松山ケンイチさん、東出昌大さん共に役作りのために将棋道場へ通い、指し手、棋力ともに努力を惜しまず、結果として壮絶な対局シーンが話題になりました。その努力を称えて、公益法人日本将棋連盟より、お二人へ初段の免状を贈呈いただけることに!通常の免状には将棋連盟会長・名人・竜王の直筆署名が入りますが、今回は特別に羽生三冠の署名入りの特別免状をご用意してもらい、羽生さんご本人から渡していただきました。最初に受け取った松山ケンイチさんは誇らしげに特別免状を掲げながら、「将棋という美しい世界で生きる棋士の方々からこのようなものをもらいとても嬉しい。自分の人生への戒めとして受け取りたい」とコメント。続いて受け取った東出昌大さんは「映画の舞台挨拶だという事を忘れて舞い上がっております。実力的にまだまだなので、将棋を続けて段を取りに行きたい」と、作品が終わっても将棋との付き合い続けることを誓いました。
最後に会場の観客にメッセージを送った松山ケンイチさん。「今日このように初日を迎えられて、僕の中の村山さんは消えてしまうと思います。でもきっと皆さんの心の中に村山さんが生き始めたと思います。村山さんの人生、将棋という世界を知り、生きる美しさを学んだ気がします。」と、舞台挨拶を締めました。
上映後の舞台挨拶ということもあり、終始熱気が漂っていた場内。登壇者のひとつひとつの言葉に拍手やうなづきなどの反応があり、キャスト・監督陣の初日を迎えられた感無量の想いと、観客の熱が伝わる大盛り上がりの初日舞台挨拶となりました。
以上