2018.02.23
2018.02.23
『さよならの朝に約束の花をかざろう』は、カラーグレーディングという工程を経て完成しました。画面全体の色の最終的な調整を、1カット1カット行う作業です。そこで感じたのは、画面のすみずみにまで満ちたスタッフの熱意。この画が生み出される過程を見てきたはずなのに、全てが完成状態として一つになったときのパワーに圧倒されました……本当に、最高のスタッフに恵まれた作品です。
そんな素晴らしいスタッフを集め現場を作り上げてくれたのが、ラインPでありP.A.の社長でもある堀川さんです。堀川さんがラインPだからこそ、この作品に参加してくださった方がたくさんいます。堀川さんはエンディングロールのチェック中、「監督・岡田麿里」の字が出た瞬間を写真に取るんだと言って、ずっと画面横に待機していました。生真面目で人の良い横顔を見てたら、いろいろとこみ上げてきました。
PAの本社は富山。今まで堀川さんの席は東京支社にありましたが、この作品をラストに現場からは離れ、本社へ戻り社長業に専念するそうです。
思えば堀川さんには、ttの頃からいつも怒られてばかりでした。だからこそ、今回ラインPを頼みたかったんです。初めての監督作品でわからない事ばかりの私を、正してくれる人がほしかった。そして望み通り、いっぱい怒ってもらいました。堀川さんの本気を感じられて、ダメージを受けつつも「しっかりしなきゃ」と背筋が伸びました。『さよならの朝に約束の花をかざろう』は、愚直で丁寧で、とても真摯な作品になっていると思います。それは私の思うP.A.と、そして私の思う堀川さんそのものです。
堀川さんは作品完成とほぼ同時に、越丸という名の柴犬を飼いはじめました。カラーグレーディング後、堀川さんやスタッフと離れる寂しさによろついている私に、「毎朝、田んぼの見回りに連れていくんだ」と、越丸との未来予想図をうきうき語ってくれた堀川さん。もう少し寂しがってくださいよ……でも、越丸は可愛いから仕方ない。
堀川さんのうきうきした気持ちが、これからもずっと続きますよう。
頼んだよ、越丸。
『さよならの朝に約束の花をかざろう』は、いよいよ明日公開です。スタッフの手を離れて走り出していくマキアやエリアル達を、皆さま、なにとぞよろしくお願いいたします!