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2018.03.03

燃えあがらせてくれるもの

去年の冬。追いこみでもっとも忙しかった時期の石井さんと私は、『ジャージ部』を結成していました。会社に入ってコートを脱いだら、かわりにジャージを羽織って作業するというもの。石井さんが着ていたのは、校章がかっこいい『Another』の夜見山北中ジャージでした。着用していると、何やら恐ろしい目にあいそうですが……石井さんは無事でした!ふー、よかったよかった。そして、私のジャージはこちら。

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なんと名前入り!『花咲くいろは』を応援してくださる方からいただいた、喜翆荘ジャージです。四十万スピリットを注入され、金色の名を背負うことにより「もう、逃げも隠れもできん!」と、仕事にたいして燃えあがりました。

そして、私を燃えあがらせてくれたものがもうひとつ。試写会でもお話したのですが、メイン・アニメーターの井上さんが描かれたイゾルです!あまりにかっこよくて、石井さんとひとしきり「この顎のラインが」「いやいや、このおでこの傾斜が」などと盛り上がり、コピーを机の横に貼っていたんです。辛いときにはイゾルを見上げることで、もんもんと邪気が、いえ、メラメラとやる気が出ました。

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井上さんのレイアウトや原画をパラパラやると、その場にいきなり別の現実があらわれて、大袈裟でなく心拍数があがります。何度、「うわぁ」と口にしてしまったことか。そして、絵で表現できるあまりにも豊穣な情報に驚かされます。たとえばマキアの走り方。「運動神経悪い走りにしたいんです」とざっくりすぎるお願いをしたのですが、井上さんの手にかかると、手の軌道がそれたり顎が上を向いたりだけでなく、服の皺まで「もたついた足運び」から発生する皺になるんです!なおかつ必死でひたむきで……走り方ひとつで、マキアのことがいろいろと理解できてしまう。

この作品には、ある特殊な(?)女の子達が登場します。物静かで憂いがあり、ときに激しすぎる情熱をぶつけてくる彼女達の登場シーン、ほぼすべての担当が井上さんです。アニメ映画の素晴らしさが凝縮されたダイナミックな動きを、ぜひ楽しんでいただきたいです!