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2018.02.16

マキア役 石見舞菜香 インタビュー

――マキア役に決まった時の感想を教えてください。
石見 オーディションでは絶対落ちたと思っていたので、すごく驚きました。私がこの世界を目指したきっかけは、岡田(麿里)監督が脚本を書かれた『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』なんです。しかも『あの花』に出演されていた入野自由さん、茅野愛衣さんも出演されるということで、本当に夢のようでした。
――アフレコの前にメインキャストが集まった台本の読み合わせがあったそうですね。
石見 私にとっては初めての経験でした。お芝居だけではなく「作画の参考用に表情を撮りたい」というお話で、カメラを置いた状態で皆でセリフを読んだんです。その時は今以上に、現場慣れしていない時期だったので、ガチガチに緊張ました。入野さんがアドバイスをしてくださって、その力を借りてなんとかやることができました。必死になっているところがマキアというキャラクターに沿っていたようで、岡田監督から「そのままで大丈夫だよ」という言葉をいただいたので、なんとか演じることができました。
――その読み合わせからアフレコまで1年ほど空いています。
石見 オーディションは自信がなかったので、そこからすごく成長しなければいけない、という気持ちがありました。だから役柄を深く考えたり、イメージをちゃんと持てるようになるための時間ができたのはありがたかったです。一方で時間があることで自分が変わってしまって、「オーディションの時のほうがよかった、とガッカリされてしまったらどうしよう」という不安もありました。
――マキアは、長命なイオルフなので時間が経っても見た目はほとんど変わりません。
石見 そうなんです。そこが演じていて難しいところでした。マキアはお話の中ではエリアルを育てる「母」なのですが、姿は少女のまま変わらない。だから少し気を抜いてしまうと雰囲気が女の子になってしまうんです。そういう意味でも岡田監督からは「母としての心を強く持ち続けてほしい」という話をいただきました。
――石見さんから見た『さよならの朝に約束の花をかざろう』はどんな作品でしょうか。
石見 まずマキアの成長を描いた物語だと思います。そしてそれを通じて生と死、親と子、時間の流れといった大切なものを改めて気づかせてくれような作品だと思っています。最初にご覧になった時には壮大な世界観に驚かれて、受け止めきれないぐらいの感情が生まれるかもしれません。私はこの映画を見て人生が変わる方がきっといると思っているので、一人でも多くの方の心に届いてほしいと思っています。

いわみ・まなか/プロフィット所属。主な出演作に『多田くんは恋をしない』(テレサ・ワーグナー)、『ゲーマーズ!』(星ノ守千秋)、『クジラの子らは砂上に歌う』(リコス)などがある。