2018.02.19
2018.02.19
取材でよく聞かれることを、堀川さんがTwitterにあげていたので……私も一つ。
「岡田さんといえば長いタイトルですが、そのこだわりは?」
いや、素敵な質問だと思うんです。でも、これを聞かれると、動揺すると同時に胸が痛みます……。なぜなら、オリジナル企画のタイトルの場合、シナリオ打合せに参加しているスタッフがアイディアをもちよって会議で決定するのが基本なのですが……確実に「自分でつけました!」と言えるのは三つだけ(そのうち一つは、P.A.の『凪のあすから』です)。そう、私の考えたタイトルは会議で選ばれないんです!敗北の歴史!
たとえば、P.A.でシリーズ構成を担当した『花咲くいろは』。大好きなタイトルなんですけど、これは脚本で参加してくれた樋口達人さんがつけてくれたものです。素敵なタイトルありがとう!そのネーミングセンスを、お友達価格でわけてくれー!
そんなわけで、タイトル決めが本当に苦手な私。今回もなかなか決まらず、仮でつけていた『マキア』でいいじゃん……というムードが流れだした頃。宣伝チームから「岡田さんと言えば長いタイトルですので、別タイトルを考えてください」との発注が!動揺!
長いタイトルって難しくて、うんうん唸って、スタッフのみんなにも相談して、結局〆切を過ぎて。もうどうしようもないので、宣伝チームに「タイトル決め会議を開催してください!」とお願いしました。ホワイトボードに、いくつもタイトル候補を書いていって。それでも全員が納得するものは生まれず、今度はタイトルに使えそうな『作品のキーワード』をあげることに。
私が考えた言葉は『約束』。約束って美しいものだけど、自分と誰かを縛るものでもありますよね。それが足枷になりながらも、縛られることで与えられる役割と安心感もあって。プラスとマイナスの両面を抱えながら、それでも約束は、自分を支えてくれる力になる……。
宣伝チームが考えてくれた言葉と合体し、調整して、なんとか完成したこの『さよならの朝に約束の花をかざろう』というタイトル。今では、とても大切なタイトルになりました。この宣伝チームの皆さん、全国縦断試写会でもすごく頑張ってくださったんです。制作期間中はあまり接する機会がなかったのですが、試写会を通じて一人ひとりの個性を知り、作品に対して熱意と愛情をもって取り組んでくださっているのがわかって嬉しかった。これからも、よろしくお願いいたします!
タイトルがやっと決まった時に、喜び勇んでタイトルを書き壁にはっておいたら、石井さんがそこに絵を描いてくれたものです。マキアとオノラに喜んでもらえて嬉しかったです……待たせてごめんよ!あ、王様もね。